施餓鬼会とは、各宗派で行われる行事で、誰からも供養してもらえない餓鬼に飲食(おんじき)を施し、供養することを第一の目的とします。
この施餓鬼会の由来については『救抜焔口餓鬼陀羅二尼経(ぐばつえんくがきだらにきょう)』に次のように説かれています。
お釈迦様の弟子の一人である阿難尊者(あなんそんじゃ)の前に、口から火を吹き、やせ衰えた恐ろしい姿の餓鬼が突然現れました。餓鬼とは、生物の物惜しみや嫉妬などの行いの報いで飲食が自由になれず、飢えに苦しむ世界に堕ちた亡者のことです。
その餓鬼が阿難に「おまえは3日後に死に、餓鬼の世界に生まれる」といい、「助かりたいなら無数の餓鬼に施(ほどこ)しと供養をしろ」と告げました。驚いた阿難が、お釈迦さまに相談をしたところ、お釈迦様は餓鬼の供養の作法を阿難に授けました。
阿難はお釈迦さまがおっしゃったとおりに餓鬼に飲食を施し、供養を行うと、餓鬼は極楽に転じ、阿難は福徳を増し、寿命を延ばす事ができたということです。