戒名(法名)と言えば「人が他界した際に付けられる名前」と思っていいる方が大部分ではないでしょうか。これも決して間違いではありません。しかし、元々「戒名」「法名」は仏教に帰依し、戒律を受けた僧侶や信者のみに与えられる名前です。この世の名を俗名に対してあの世(極楽浄土)の名を戒名(法名)と言います。
現代の日本における戒名としては、僧侶が出家する際に師僧からつけられる出家者の戒名と、死後に付けられる順修戒名、そして出家していない人が在家の仏教者としてつけられる生前戒名(逆修戒名)の3種類があります。これらのうち、私達にとって最も身近なのが2つ目の順修戒名と言えるでしょう。
それでは、どうして出家をしておらず、仏教者でもない人が、亡くなってから戒名を授かるのでしょうか。それは、死後に戒名をつけられることで、僧侶として死後の世界(極楽浄土)に旅立つことが出来るという思想に由来しています。つまり、駆け込み出家の形で僧侶としてあの世へ向かうことで、阿弥陀仏の本願により極楽に往生し、悟りを開くというこです。宗派によっては戒名とはいわず、浄土真宗は「法名」、日蓮宗は「法号」といいます。 戒名は亡くなってから遺族が菩提寺に依頼して通常、通夜の前に授かります。